春です。
開業して二度目の春です。
道具も機械も何も無い、唯一あったのは農家時代の倉庫のみという中で、多くの方々に助けて頂きながら、こうして二度目の春を迎えることが出来ました。
ご協力頂きました皆様には本当に感謝申し上げます。
私にとってのこの一年は、い草農家に嫁いできた時と同じくらい衝撃的で、「何年も使ってなかった頭と身体を久しぶりに使ったな」そして「やっぱ歳取ったな」と実感した一年でした。
めったにお目にかかりませんが、本藁の本間床(40Kg超)の畳には手鉤を掛けても持ち上げることができず、私には手も足も出ませんでした。力持ちが居てくれて良かった。(笑)
私の場合パワー系の仕事には限界があるので、その他の面でサポートできればと思っています。
お客様に喜ばれる仕事ができるよう『知識と技術を磨く』これからも毎日が勉強です。
昨年、お寺の工事に入らせていただきました。
本堂内陣横の脇間と呼ばれるところです紋縁を使っています。畳の大きさは少しずつ違うのに紋を合わせなければならないので、とても時間が掛かります。そのうえ手縫いとくればベテラン職人さんの技が光ります。こういう仕事はあまり多くないので、職人魂に火を付けてしまったようです。
令和5年産のい草の作付けについてJAやつしろから資料が出ていました。
現在い草の栽培は熊本県八代市・八代郡・宇城市の一部でしか行われておりません。
戸数としては296戸。昨年より23戸減っています。作付面積に関しても351haと、昨年より8%減っているようです。
実際、近所の農家さんも作付けを辞められました。
ここから計算していくと、10a当たり上物から下物まで畳表が約500枚できるとして、全部で1,755,000枚。6畳1部屋の畳替えをしたとしても、全国で292,500軒分しかありません。
単純に47都道府県で割ってみると、1県につき6,200軒程のお宅にしか国産の畳表は使えないことになります。あくまでも6畳1部屋と計算した場合ですから、実際にはもっと少ない軒数になるでしょう。本当に貴重品になってしまいました。
い草の生産者が減少数する(国内外問わず)ということが、畳の関連商品を扱う者にとっても厳しい状況となっていることを再認識させられます。
八重咲で豪華なチューリップです。
どんな花が咲くのか楽しみです。